最速137キロ左腕の二松学舎大付・布施東海投手(2年)は、1学年上の先輩・ロッテ4位秋山正雲投手(18)の“揺るぎない精神力”を尊敬する。

「秋山さんのエースとしての気持ちの強さは自分の目標です」。

昨秋都大会決勝の国学院久我山戦。先発した布施は、2点リードの9回2死からサヨナラ打を浴び、逆転負けを喫した。「勝てると思ってしまった。自分の未熟さが出たんだと思います」。試合後はうつむいた顔を上げることが出来なかった。

そんな布施の心に再び火をともしたのは、秋山からかけてもらった言葉だった。「エースの自覚を持って、お前がチームを引っ張れ。勝ちに導くエースになれ」。東京都大会準優勝で、センバツ選出が不透明だった今オフのトレーニング。球速アップを目標に、ポール間走やタイヤ押しで自身を追い込んだ。気持ちが折れそうな時、奮い立たせてくれたのは先輩がかけてくれた言葉と、脳裏に残るマウンドでの姿だ。一冬越えた布施は「体が強くなって基礎体力もつきました。球速が上がっている実感もあります」。肉体だけでなく、精神的にもひとまわり大きくなった。

センバツ初戦は東北大会準優勝の聖光学院(福島)と対戦する。「『1番』をもらっている以上、エースとして引っ張っていければ」。昨年秋に「自分は『1番』の力量じゃない」と自信を失っていた布施の姿は、もうない。【阿部泰斉】

◆布施東海(ふせ・とうかい)2004年(平16)10月5日生まれ、神奈川県大和市出身。小1から大和シャインズで野球を始め、光丘中では世田谷南ボーイズでプレー。二松学舎大付では1年夏からベンチ入り。将来の夢は法律家。好きな言葉は「雲外蒼天(そうてん)」。171センチ、75キロ。左投げ左打ち。