甲子園に米田あり!! 市和歌山が優勝候補の花巻東(岩手)に快勝した。プロ注目で最速149キロ右腕のエース米田天翼投手(3年)は、高校通算56本塁打の佐々木麟太郎内野手(2年)に内角を攻め、4打数無安打、2奪三振と封じた。
昨年の背番号1でDeNAドラフト1位小園健太投手(18)のエールに発奮し、最速145キロなど9回4失点完投だ。
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黒土のマウンドは米田の独壇場だった。あの怪物スラッガーをもてあそんだ。4点リードの8回、先頭で佐々木麟を迎える。これまでの3打席は快速球でねじ伏せていた。だが、4度目の対戦は一変した。初球109キロのカーブでストライク。その直後だ。計測不能の超スローボールであざ笑った。「(初球より)もう1つ遅い球を。遊び球です」。最後は143キロ内角速球で間合いを計らせず、一ゴロ。完全に見下した。
徹底的な内角攻めで勝機をつかんだ。高校56発でキーマンの佐々木麟の打撃映像を見て丸裸。弱点に気づいた。半田真一監督(41)は「長打を狙ってくる雰囲気。遠い球(外角)は腕が伸びてすごく飛んでいく。内角をしっかり使いなさいということ」と説明した。両腕を窮屈にさせ、まともに振らせない。1回無死一、二塁の初対決。米田は3球目、142キロで懐に突っ込む。ホップする軌道で空振り。米田も「ギアを上げて気持ちで押し切る。カギになった」と自信を得た。
圧巻だった。1回は高め速球で空振り三振。3回も内角を意識させ、再び空を切らせた。5回は全力で腕を振る。この日最速の145キロで三飛に詰まらせた。大会前の実戦で何度も繰り返した左打者への内角攻めが生きた。「一番の長所の速球で、素晴らしい打者と勝負したかった」。主砲に完勝して、12球団のスカウトに存在感を示した。9安打で4点を失いながらもリードを守り抜いた。
米田は前夜、小園先輩のエールを監督から聞いた。「去年と同じ日、同じ第1試合。いい投球できるぞ」。3月23日。1年前、現DeNA小園がセンバツ初戦で県岐阜商に完封勝ちしていた。昨年までツーシームなどの投げ方を教わった。小園からもらった黒グラブは自宅の自室に飾る。尊敬する先輩の言葉も支えだった。米田は言う。「ストレートを思い切り投げ込めた。去年より成長している」。昨年はセンバツで被弾した。大砲封じで全国に勇名をはせた。【酒井俊作】

