四国王者の高知は、国学院久我山(東京)に敗れ、13年以来9年ぶりの8強進出はならなかった。

「甲子園は本当に最高の舞台でした」。この日2安打と気を吐いた三谷高慶内野手(3年)はかみしめるように思いを口にした。三谷家は祖父、父も聖地の土を踏んでおり、親子3代で甲子園に出場した野球一家だ。サッカー少年だった三谷は、家族の勧めで野球を始めた。父・高由さん(42)は明徳義塾(高知)の内野手として、のセンバツ(69回大会)に出場し、2回戦進出。祖父の勝水さん(70)は高知の外野手として夏の甲子園(50回大会)で3回戦まで進んだ。「自分も出場した甲子園に孫も出場するのはうれしいこと。(自身がプレーした)当時を思い出します」。

三谷は父・高由さんに甲子園について聞くと「自分の目で確かめてこい」と言われたという。「ずっと努力する姿を見てきた。思いきり甲子園を感じて欲しい」と息子の勇姿を見守った。三谷は「野球を教えてくれた家族への感謝の気持ちを持ってプレーしました」と振り返った。

甲子園は世代をつなぐ特別な舞台だ。父、祖父が成し得なかった全国の頂点へ。三谷家の挑戦は夏へと続く。【山崎健太】