星稜が石川県勢初の4強進出を逃した。今大会限りでの勇退が決まっている林和成監督(46)は、同校ラスト采配で逆転負け。試合後は第4試合の三塁側、大阪桐蔭の西谷監督と握手。ねぎらいをうけ、退場時には球場内から大きな拍手が送られた。林監督は脱帽し、一礼してグラウンドを後にした。

先制は星稜。両軍無得点の4回だ。相手失策も絡むなど4連打。2点を奪い、先手を打った。

投げては1回戦で右手中指の爪を負傷していたマーガード真偉輝キアン投手(3年)の代役で、武内涼太投手(2年)が先発。4回まで無安打投球も、5回1死二塁で右前適時打を献上した。同1死一塁からはマーガードが2番手でマウンドへ。1点を失い、なお2死二塁で4番下川辺に痛恨の勝ち越し2ランを浴びた。奥川恭伸(現ヤクルト)が2年生で出場した18年以来4年ぶりの8強入りだったが、準決勝進出はならなかった。

試合後、林監督は「選手たちは最後まで追いつこうと諦めずに戦ってくれた。甲子園での3試合は素晴らしい戦いだった。選手たちに感謝したい。ここまでこられるとは思っていなかった」と感無量。最後は目に涙を浮かべながら「寂しさもあるけれど、たくさんのいい思い出がありました。幸せな監督生活でした」と締めた。