春夏通算36度甲子園出場の報徳学園は強豪の神港学園を3-1で下した。立役者は最速143キロ左腕の榊原七斗投手(3年)で9回1失点完投。140キロ超の速球はキレがあり、チェンジアップやカーブを駆使した緩急がさえた。「名のあるチーム。この試合を全力で勝ちに行った」。プロの複数球団が視察する前で10安打を浴びながら粘った。甲子園は18年夏を最後に遠ざかる。名門復権に向けて、強化を推し進める。

兵庫はこの夏、群雄割拠の様相だ。19年夏の甲子園で履正社(大阪)を優勝に導いた岡田龍生監督(60)が4月1日から母校、東洋大姫路の監督に就任した。強敵の登場にも榊原はひるまない。「秋に負けて、自分たちは食らいつくしかない。向こうの方が甲子園に出て実績も上。自分たちは食らいついていく」と気合十分だ。昨年9月23日の秋季県大会で対戦し、0-1で惜敗した。センバツ出場を断たれた因縁の相手を上回る力量を磨く構えだ。

一方、春夏8度甲子園出場の神港学園は10安打を浴びせながら、1点にとどまった。北原直也監督(42)は「2点差の重さは、大きい。夏に向けて、この2点差をどうしていくか。簡単な2点にしたくない。10本ヒットを打って1点しか取れていない野球をどうしていくか」と渋い表情。右腕エースの清本竣太投手(2年)が8回3失点完投も報われなかった。強豪対決は報徳学園に軍配が上がった。ライバルひしめく兵庫戦線で陣容を整えていく。