春季全道高校野球の地区予選が7日、札幌、旭川など6地区を皮切りに、3年ぶりに有観客で開幕する。札幌地区ではプロ注目の最速149キロ左腕、東海大札幌エース門別啓人(3年)が「春から無敗で夏の甲子園を目指す」と宣言。昨秋全道準決勝で敗れたクラークへの雪辱と、14年ぶりの春王座を目標に掲げた。

道内屈指の左腕が22年最初の公式戦に臨む。冬場は昨秋のクラーク戦で出た課題を頭に入れ、練習に取り組んできた。2巡目に入った4回からとらえられ5、6回で逆転を許した。「腕の振りが甘い変化球を狙われた。直球のようにしっかり腕を振る。その意識を持ってやってきた成果を出したい」と意気込んだ。

最終学年で初めて春先の道外遠征を経験した。入学後、コロナ禍で遠征中止が続いており「早い時期に本州の相手と対戦できたのは刺激になった」。八戸学院光星(青森)戦では、先発し6回12奪三振も3本塁打を浴び6失点。「三振は自信になったが簡単に持っていかれることも分かった」。球速に慢心しない。配球にも気を配り、一皮むけた姿を披露する。

春先にNPB全12球団の視察を受けた。昨秋から身長が1センチ伸び、体重は2キロ増量の87キロに。2月にチームで測定した際は、秋の最速146キロが平均速度になり、最速150キロも出たという。「みんなと甲子園に行って、その先の舞台に進みたい」。春に弾みをつけ、聖地経由でのプロ入りを思い描く。【永野高輔】

◆門別啓人(もんべつ・けいと)2004年(平16)7月10日、日高町生まれ。日高富川小1年時に富川スポーツ少年団で野球を始める。小6時は日本ハムファイターズジュニア選出。日高富川中から東海大札幌に進み、1年秋の地区予選から背番号1をつけベンチ入り。昨春全道、夏の南大会8強、秋は全道4強。好きな選手はエンゼルス大谷翔平。好きな言葉は「気持ち」。家族は両親。183センチ、87キロ。左投げ左打ち。