19年以来の「春王者」へ、投打の要が県1勝に導いた。昨秋県準Vで東北大会出場の東日本国際大昌平が、今春センバツに21世紀枠で出場した只見を4-1で下し、初戦突破を決めた。「3番遊撃」で主将の佐藤壱聖内野手(3年)が先制適時打を含む2安打1打点。エース草野陽斗(はると)投手(3年)は5回1安打無失点でチームをけん引した。

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主将がバットで勢いをもたらした。1回1死三塁。佐藤壱が只見・酒井悠来(はるく)投手(3年)の1球を捉えた。「逆方向を意識して、結果になってよかった」と左翼への適時二塁打で先制。続く4番村井新太朗外野手(3年)の適時二塁打で生還し、初回に2点をマーク。さらに3点リードの5回2死から中前打で出塁し、後続の一打で生還。貴重な追加点のホームを踏んだ。

エースも仲間の援護に応えた。草野は力強い伸びのある直球を軸に三振の山を築き、2回からは5者連続奪三振。県大会初戦を5回1安打9奪三振無失点で終えた。「高めに浮いてしまうことが何球かあった中で今日は球が走っていた。ゾーンに集めることを意識した」。

昨秋は県準V。だが、差を痛感した。東北大会初戦で花巻東に6回コールドで大敗。佐藤壱は「自分たちはチャンスで1本が出なくて試合が進んでしまった」と敗因を説明した。個人では7試合に出場し、24打数6安打の打率2割5分。もちろん、結果には満足していない。「引っ張り方向の打球や内容の悪いアウト、打率が良くなかった。1から打撃を見直してできたことが初戦で結果に出た」と今後に弾みをつけた。

2回戦の相手は「統合後県初勝利」を挙げた須賀川創英館。草野は「今日1勝してみんなホッとしていると思うが、気を抜かずに勝って次につなげられるように頑張りたい」と勝ってかぶとの緒を締めた。目標は東北大会(6月7日開幕、福島)出場。主力が目標実現のために、チームを引っ張る。【相沢孔志】