創部25年目で初出場の浜松開誠館(静岡1位)が、3-1で愛工大名電(愛知2位)を下し、東海大会初勝利を挙げた。主将の静内龍之介外野手(3年)が、投打で活躍。春夏通算22度甲子園出場の名門チームに競り勝った。準決勝2試合は、22日に小牧市民球場で行われる。

浜松開誠館が県初制覇の勢いそのままに、東海初勝利をつかんだ。プロ野球通算224勝の工藤公康氏(59)や日米通算4367安打のイチロー氏(48)らを輩出した名門を撃破。佐野心監督(55)は「選手はよくやった」。静内主将も「素直にめちゃくちゃうれしい」と白い歯を見せた。

その主将が、初の舞台に挑むチームを引っ張った。「1番左翼」で先発すると、開始直後の1回表に左翼線二塁打で出塁。先制のホームを踏んだ。2回には、2死満塁で三塁適時内野安打。「自分たちは挑戦者。序盤から積極的にプレーする練習をしてきた。100点」。貴重な2得点で主導権を握った。

マウンドでも頼もしかった。6回に1点を返され、なおも2死満塁のピンチに2番手として登板した。「武器は真っすぐ」。最速143キロの直球で強気に押し、後続を断った。

先発のエース左腕・山口祥吾(3年)は、5回2/3を6安打1失点の粘投。打っても、3安打1打点。「県大会を通じて一番調子が悪かった」と振り返ったが、それでも結果を残した。チームとしても、4回に犠打併殺を喫するなど、流れを失いかける場面もあったが、最後まで崩れなかった。指揮官も「ベンチで見ている感覚として、課題よりも成長を感じることの方が多い」とうなずく。

準決勝では、津商(三重1位)と対戦する。静内は「次も初回から押していきたい」と力強かった。創部25年目の春。新たな歴史を刻み続ける浜松開誠館ナインが、東海王者へと突き進む。【前田和哉】