札幌第一が延長13回タイブレークの末、苫小牧中央を下し、4年ぶりの春全道制覇に王手をかけた。1点を追う13回裏無死満塁で、9番村上広(こう)二塁手(3年)が右中間に逆転サヨナラの2点適時二塁打を放ち決着。チームは守備で4失策を記録するなど課題も残したが、一丸となって30日の北照との決勝で頂点を狙う。

1点を追う延長13回裏タイブレーク無死満塁で村上に打席が回った。前の5打席は無安打2三振1四球。「追い込まれてからスライダーを空振りして2三振していた。強気でいくしかない。追い込まれる前のストレートに手を出していこう」。1ボールから、プロ注目の相手エース斉藤優汰投手(3年)の外角直球をはじき返し、右中間へサヨナラの2点適時二塁打を放った。「風が味方してくれて越すことができた」。決勝へ導く一打にチームメートに頭をたたかれ祝福を受けた。

先制された直後の1回、好投手相手に打線がつながった。1死一、三塁から4番疋田悠真捕手(3年)が同点適時二塁打。二、三塁となり、田中佑弥主将(3年)が右前に一時勝ち越しの適時打を放つなど、いきなり3点を奪った。中盤にも小刻みに追加点を加え優位に試合を進めたが、7回に追いつかれ延長戦に突入。我慢の末につかんだ勝利だった。

守備に課題を残した。相手の無失策に対し4失策を記録。5回、相手先頭打者斉藤の放ったゴロの打球を二塁手村上がエラー。6回無死一塁では三ゴロを浅野が失策しピンチを広げ、この回3失点を喫した。13回表無死満塁では菊池一(はじめ)遊撃手(3年)がゴロをお手玉し勝ち越しを許す場面もあった。菊池雄人監督(49)は「頭が痛いですよ。課題は多いですね。そこはしっかり反省したいと思います」と話し、村上は「しっかり練習します」と引き締めた。

課題を残しながらも接戦に競り勝ち、18年以来4年ぶりの春全道制覇に王手をかけた。30日の決勝で北照と対戦する。同監督は「夏につながるような試合にしたい」。村上は「相手はどこでも自分たちのやることは変わらず、目の前のことを1つ1つ」と頂点を見据えた。【山崎純一】