春季高校野球北信越大会は今日4日、福井県で開幕する。県代表の東京学館新潟は、敦賀市総合運動公園野球場での初戦1回戦で丹生(福井3位)戦に臨む。強力打線をけん引するのは4番打者の上村泰雅一塁手(3年)。県大会3回戦・新潟戦での1試合2本塁打など持ち前の長打力と勝負強さで勝利を狙う。

コロナ対策のマスクで鼻と口を覆いながら上村は930グラムの木製バットでティー打撃を繰り返す。北信越大会で思い描く打撃は「4番打者として打点を奪う」。県大会は6試合で11打点。打点を荒稼ぎした打撃を、北信越でも再現を狙う。「どうしても点が欲しい時に打ちたい」と言う。

県大会は決勝までの6試合で21打数9安打の打率4割2分9厘。「打球が伸びるところが自分の長所」と自己分析する打撃は数字に表れている。県大会で打った9安打のうち、半数以上の6本が長打だった。3回戦・新潟戦は1試合2本塁打。上村は「北信越で本塁打はいらない。味方が作ってくれたチャンスを生かしたい」と1発狙いを封印しての適時打を自らに言い聞かせる。

「持っている力は素晴らしい。もっと上を目指していける子」と上村を評した旅川佑介監督(40)は期待するからこそ、注文もつけた。「ムラっ気がある」。確かに4の3、6打点と爆発した新潟戦に続く4回戦の新潟産大付戦は3の0。前試合を無安打で迎えた準々決勝・高田北城戦では、再び4の3と爆発した。

旅川監督は「守備、走塁などの課題を公式戦の舞台でつぶしていく」と北信越をとらえる。好不調の波があった県大会を上村も振り返り、「信頼されるために、どんな場面でも打たなければならない」。上村も打席でのテーマを北信越でクリアするつもりだ。【涌井幹雄】

◆上村泰雅(かみむら・たいが)2004年(平16)8月21日、新潟市生まれ。小2から新潟東リトルで野球を始め、木戸中では「新津五泉村松シニア」に所属。右投げ左打ち。180センチ、82キロ。血液型A。