東京学館新潟(新潟1位)は、丹生(福井3位)に1-8の8回コールドで完敗した。丹生の先発左腕、井上颯太(2年)から放った安打は3。8回に1死満塁とするが、得点は暴投での1点にとどまった。4投手継投も丹生打線に毎回の20安打を浴びた。22年ぶり2度目の春季北信越だったが、1勝が遠かった。

投打に力負けだった。東京学館新潟打線は3安打に抑え込まれた。5番・新田龍生外野手(3年)が2安打と気を吐いたものの、打線がつながらない。奪った得点は8回、暴投の間の1点だけだった。守っても今春センバツに21世紀枠で出場した丹生打線に毎回の20安打を許し、4投手の継投でしのぎきることが出来なかった。

県大会6試合でチーム打率3割3分6厘の数字を残した打線が、相手の先発左腕を攻略できぬまま試合が終わった。主将の2番・小川郁也遊撃手(3年)は「分かってはいたがストレートに押され、低めのスライダーに手を出してしまった。自分たちの工夫の足りなさや意識の足りなさもあった」と唇をかんだ。県大会チーム防御率2・25の投手陣も打ち込まれた。大舞台での経験の差が出た。

旅川佑介監督(40)は試合後、選手を集めた。「走攻守、レベルが足りていないことを突きつけられた。今回の負けがプラスになるためには、この経験をいかさなければいけない」と言った。夏の選手権県大会は7月9日に開幕する。「もう1度、残りの1カ月でやり切りたい」。春の県王者は夏に向け、この日の敗戦を反省材料にチームを立て直す。【飯嶋聡美】