高校野球春季北海道大会で準優勝した北照が“直前集中夏期講習”で3年ぶりの甲子園切符を狙う。

29日から始まる南北海道大会小樽地区予選(16日抽選)に備え、7日から18年夏の甲子園に出場した当時の主将、三浦響(ひびき)捕手(星槎道都大4年)を臨時コーチに招聘(しょうへい)。10日からの関西遠征では甲子園見学を行い、聖地をイメージし、夢舞台を引き寄せる。

今回指導に加わる三浦元主将は、強烈なリーダーシップで左腕エース原田桂吾(国際武道大4年)を中心としたチームをまとめ、甲子園をたぐりよせた。上林弘樹監督(42)は「残りの1カ月、チームがより1つにまとまるには、どうするべきか。そういう経験を伝えてもらえたら」。前回甲子園出場の19年も、春の地区予選敗退後、OBで12、13年に3度甲子園出場した当時の左腕エース大串和弥氏(26)を臨時コーチに招き、2年連続甲子園出場につなげた。聖地を知るOBの経験値を再び注入し、精神面を磨き上げる。

10日からの関西遠征は初日に甲子園見学。夏の予選前に聖地に出向くのは同高初の試みで、上林監督は「チームとして甲子園を見たことがない世代。実際に見てイメージをつくってもらえたら」。最終13日には伊勢神宮参拝を予定しており、パワースポットで、見えない力をも呼び覚ます。

春全道は準決勝で東海大札幌のプロ注目左腕、門別啓人(3年)を打ち崩すも、決勝の札幌第一戦は2回に6失点し、流れをつかめないまま敗れた。夏本番前に聖地を感じ、気持ちを締め直すことで、南大会を勝ち抜ける集団へとバージョンアップさせる。【永野高輔】