昨夏準優勝の東海大静岡翔洋は、森下倫明(みちあき)監督(57)がチーム改革に取り組んでいる。昨年9月1日に監督に就任し、「一体感」と「自主性」をテーマに掲げてチーム作りを進めてきた。

意識付けたのは「1つになること」。主力と控えが分かれていた前体制での練習を、部員全員で行うようにした。「競い合いながらチーム力を高めるのが、本来の姿」。高校時代は、東海大浦安(千葉)3年夏に甲子園出場。監督としても同校を率いて、2000年夏の甲子園準優勝に導いた。当時を振り返り「その雰囲気を翔洋でもつくりたいと思った」。

指導で心がけたのは、選手の自主性だ。「結局最後に判断するのは選手。言われたことだけをやれば勝てるわけではない」。普段も言いすぎないことを意識し、向上するためのヒントを与える。選手には「常に考えろ」と促してきた。

今月は毎週末、県外に遠征。二松学舎大付(東京)や木更津総合(千葉)など、全国の強豪校と練習試合を行った。「強い学校には理由がある。いいところを盗んでほしかった」。今春以降のチーム状況は右肩上がりだという。就任後初めての夏を迎える指揮官は「だんだんと頼もしくなってきている。みんなで戦う姿勢を見せたい」。全員野球で18年ぶりの聖地を目指す。【神谷亮磨】

◆森下倫明(もりした・みちあき)1964年(昭39)10月5日、東京都生まれ。東海大浦安高3年の82年、一塁手として夏の甲子園出場。初戦で津久見(大分)に敗れた。東海大卒業後に母校の教員になり、監督として00年夏の甲子園出場。初戦の2回戦から4連勝し、決勝で智弁和歌山に屈した。退任後は東海大福岡で2年半コーチを務め、昨年9月に翔洋の監督に就任。家族は夫人と2女。