市原中央がサヨナラ勝利で2回戦進出を決めた。

2-2で迎えた9回1死二塁。小川晃士朗外野手(3年)は「後ろにつなげよう、という気持ちで打席に立ちました」と、狙い通りの真っすぐを捉えると、打球は左中間を真っ二つに破り、サヨナラの適時二塁打。「外野が前に来てるのが見えていたので、打った瞬間『試合が終わった』と思いました」。小川はチームメートが笑顔でベンチから飛び出す姿を見て、「達成感があって、うれしかったです」と、ほほ笑んだ。

最後の夏、勝負強さを身につけた。これまでは優しい性格が裏目に出てしまい、勝負強い打撃が課題だった。「練習試合から1球集中を課題にしました」。前の打席結果、守備のプレーから気持ちを切り替え頭をリセット。1打席に集中した。「これまでは考え過ぎて、打席で迷いが出ていた」。ここぞの気持ちの作り方を学んだ。

チームのために、プレースタイルも変えた。「それまでは長打を得意としていたが、夏はチームを勝たせることに目を向けた」。1番打者として、センターからライト方向へ、強く低い打球を心掛けバットを振った。「仲間のためにバットを振る。そういう気持ちが強くなりました」。いつしか、チームの勝利には欠かせない存在に成長していた。

チームの目標は「千葉の頂点」だ。小川は「チームの課題がたくさん見つかったので、これから反省して、1試合ごとに成長していきたいです」と、冷静に前を見つめる。その先には「甲子園」が見えている。【保坂淑子】

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