神戸国際大付(兵庫)が「不屈の魂」で序盤戦最大の難関を乗り越えた。強豪の須磨翔風に大苦戦。延長12回2死満塁、相手三塁手の失策で何とか決勝点を挙げた。11イニングで得点圏に走者を置きながら4点止まりで、20残塁の拙攻だった。

辛勝の立役者は1年生守護神の津嘉山憲志郎投手だ。伸びのある速球と変化球を低めに集めて救援の7イニングを無失点。同点の8回2死満塁、9回2死一、二塁の窮地も踏ん張った。「国際で一番いいピッチャーはお前やぞ!」。先輩からの励ましが効いた。「9回までいくと決めていた。自分の投球を今日もできた」。

土壇場での執念は筋金入りだ。昨夏の甲子園準々決勝。近江(滋賀)戦で、4点を追う9回2死走者なしから4連続代打などで追い付いていた。惜敗したが、津嘉山は「粘り強い印象が残っています」と話す。沖縄出身の中学3年生が同校に進むキッカケになった。

4番で3安打2打点の松尾優仁(ゆうと)主将(3年)は近江戦で代打適時打。「あの試合を経験している。自分たちは粘り強く。今日も『粘り強くやっていこう』と声を掛けた。生かせています」。何度劣勢に立たされても耐えた。ノーシードから連勝。2年連続夏の甲子園へ、昨年の兵庫覇者が意地を見せた。【酒井俊作】