習志野の背番号11、吉川凌平投手(3年)が、チームを5回コールドでの勝利に導いた。被安打1で8奪三振。二塁も踏ませぬ好投だった。

1回表、吉川は真っさらなマウンドに足を踏み入れると、球場全体を見渡した。「大丈夫だ」と自分に言い聞かせ、大きく深呼吸をついた。「ブルペンでは調子が悪いかなあと思ったんですが、スタンドにはたくさんの応援とブラスバンドがいて、ワクワクしました。自分はこういう舞台が好きなので」。スタンドの応援も味方につけると、初回からテンポの速い投球で、キレのいい直球にスライダーとカーブを丁寧にコースに投げ分けた。3回までは完全投球。「テンポがいいと打撃のリズムも良くなって得点に絡んでくる。いつも通りに投げた結果です」と冷静に振り返った。

吉川の好投に打線も応え、10安打10得点。20年の秋季地区大会で敗戦した県船橋を投打で圧倒した。「応援を受けてのマウンドは、楽しかったです」。背番号11が今夏、初めてのマウンドを力強く投げきった。

【千葉大会 スコア速報】はこちら>>