海外で育った“逆輸入”右腕が勝利をもたらした。横浜翠嵐が城郷を下し、3年ぶりに初戦を突破した。先発の木村颯太投手(3年)は人生初の完投勝利。「一言で言うと、とても気持ちいい」と喜んだ。

「背番号11」の木村は縦に落ちるカーブ、「ドロップ」を有効的に使用し、9回6安打1失点。「弱気にならず、ストレートで押すことが出来た」と、直球とのコンビネーションを生かした。

父の仕事の関係で、小5~中3までの期間をマレーシア・クアラルンプールで過ごした。好きな郷土料理は「辛いソースやマメが入ったごはん料理」という、ナシレマ。当時住んでいた自宅にはプールが付いていたといい「学校が終わった後に皆で泳いだり」と、異国での生活を楽しんだ。

神奈川屈指の進学校である同校には「偏差値が一番高いから」と進学。大学では生物系の学部で学びたい希望を持っており、「バイオテクノロジーを学んで、将来に生かしたい」との夢を持っている。

次戦はシード校の相模原弥栄と戦う。高校最後の夏。出せる力を全部出し切るつもりだ。

▽横浜翠嵐・吉水浩太監督(木村について)「学校では演劇部のコントに助っ人で出て、笑いを取ってくるようなムードメーカー。(好投には)5回の整備の時『こんな展開、誰も想像つかなかったよね』と話していました」