3季連続優勝へ貧打解消だ! 昨秋と春の王者、青森山田が12安打16得点で弘前工に5回コールド勝ち。夏4強一番乗りを決めた。「5番投手」で先発した背番号「3」馬場大河内野手(3年)が投打で躍動。4回3安打無失点の好投を演じ、打っては5回1死一、二塁から今大会初安打となる3ランを左翼芝生席へたたき込んだ。青森山田は県内公式戦の連勝を「11」に伸ばし、17年以来5年ぶりの夏制覇まであと2勝となった。

   ◇   ◇   ◇

バットを振り抜いた瞬間、馬場は右こぶしを突き上げて確信した。「打った瞬間、いったな」。9点リードで迎えた5回1死一、二塁。カウント1-2からの4球目。内角のスライダーをさばいた。打球は左翼芝生席へ一直線。「ずっとヒットが打てず、少し焦りはあった。まず1本出て良かった」。今大会12打席目での快音。準決勝に向け、景気づけの1発となった。

冷静に基本に立ち返った。「コンパクトに振ることを意識した」。調子が上がらない時ほど忠実な打撃に徹する。この日はバットを指2本分短く持ち、大振りを捨てた。3打席目までは三ゴロ、犠打、空振り三振も、4打席目で修正が報われ、5番らしい一打につながった。

投げては先発で4回を3安打無失点。最速130キロ台の直球に変化球で緩急をつけ、無四死球の制球力が光った。「低めにボールを集めながら、勝負することができた」と納得の表情だった。

貧打が解消し、17年以来5年ぶりとなる夏制覇への機運は高まった。3、5回に打者一巡の「猛攻劇」で、12安打16得点の圧勝。これには兜森崇朗監督(42)も目を見張った。「打てないのが定着してしまっていたので、明るい兆しかなと思います。手応えはつかんできている」。昨秋、春と新チームになってからは県内公式戦無敗。連勝記録を「11」に伸ばした。負けなしの3季連続優勝で甲子園切符をつかむ。【佐藤究】