3度目の甲子園春夏連覇を目指す大阪桐蔭が春夏14度出場の関大北陽との一戦で快勝した。12安打7得点で、3投手の継投も安定。わずか1安打に抑えた。実力校を相手に圧倒した。西谷浩一監督(52)は言う。

「夏の関大北陽さんは、毎年ながら苦しんで勝たないといけない。今日も接戦になると頭に入れながら。もうちょっと攻めていきたいところがあった。なかなか思う通りに攻められませんでした。もうあと1打出したいところで、1本が出なかったところですね」

1回は両校とも得点圏に走者を進めたが得点できず。先手を取ったのは大阪桐蔭だ。2回、先頭でプロ注目の海老根優大外野手(3年)が左越え二塁打で出塁。田井志門外野手(3年)が右前に先制適時打を放った。すぐに関大北陽も反撃した。その裏、2死一塁から池田幸汰投手(3年)が左中間を破る適時二塁打で同点に追いついた。

大阪桐蔭は4回、意地を見せた。無死一、二塁で西谷監督は先発の川原嗣貴投手(3年)に代打工藤翔斗捕手(3年)を起用。遊撃併殺打の間に勝ち越した。さらに、伊藤櫂人内野手(3年)が左翼に低空ライナーのソロ本塁打を放った。2試合連続の公式戦14発目。効果的な一撃になった。「1点取ってもらって少し余裕ができた。我が出るといい結果が出ない。つないでいこうと思いました」と振り返った。

突き放したのは7回だ。無死一塁で4番の丸山一喜内野手(3年)が右翼線適時二塁打。主将の星子天真内野手(3年)も右前適時打、堅守が光る鈴木塁内野手(3年)と別所孝亮投手(3年)が左前タイムリーで続いた。一挙4得点で貫禄を示した。

この日は継投策だった。先発川原は3回1失点。球が抜ける場面もあり、4回からは別所孝亮投手(3年)にリレーした。別所は試合中盤を抑え、打線の援護を呼び込んだ。指揮官は「つないでいこうと、最初から思っていました。代打陣も準備していました。(工藤の代打は)勝負どころかなと思いました」と説明した。

因縁の対決だった。昨年は7月31日の大阪大会準決勝で激突。延長14回の死闘の末、大阪桐蔭が14-10で関大北陽を下していた。今年は圧勝。貫禄勝ちだった。