今春のセンバツに出場した木更津総合(千葉)が、1年生のひと振りで8強入りを決めた。

2-5で迎えた8回、1点差まで詰め寄り、なお無死一、三塁。羽根徹平内野手(1年)は、上級生に「最低限の仕事をすればいい」と声を掛けられ、大きくうなずいた。「気持ちが楽になりました」。真ん中高めの直球をフルスイングすると、打球は右翼芝生席へ吸い込まれる逆転3ラン。公式戦初本塁打が決勝打になった。羽根はガッツポーズをしながら、2度大きくジャンプ。体全体で喜びを表現した。

ベンチに戻ると、先発のエース・越井颯一郎投手(3年)が抱きついてきた。「よく打ってくれた!」。先輩の笑顔に、喜びが込み上げた。「ホッとしました。すごくうれしい」。笑みがこぼれた。

人のために時間を使え-。五島卓道監督(68)がいつも選手にかける言葉だ。中学時代の捕手から三塁手に転向した羽根に、全体練習後の自主練習でノックを打ってくれたのは、ベンチ外の3年生だった。「先輩たちの夏を終わらせたくない」。恩返しの一打だった。

フレッシュなパワーで勢いを増した木更津総合。春夏連続出場へ。チーム一丸、力強く県の頂点へ突き進む。【保坂淑子】

【千葉大会 スコア詳細】はこちら>>