今春、21世紀枠の近畿地区推薦校に選ばれ、初戦で名門の滋賀学園を下した伊吹が草津に粘り勝ち。8強入りを果たした。

6-4の最終回、先頭バッターにヒットを打たれると、四球が続いて満塁に。1死満塁のピンチを迎えたが、最後は福井希空(のあ)投手(3年)が自信あるストレートで打ち取り、4回戦への切符を手にした。

この日、152球を投げて完投した福井は「試合前半は流れが悪かったので、三振を取ってやり返そうと思っていた」と話す。ランナーを背負いプレッシャーのかかる場面では「キャプテンに『お前しか投げるやつはいん』と言われて、冷静になれた」と仲間に感謝した。

伊吹は豪雪地帯。冬の間は投球練習もままならず、春の大会終わりは投げすぎで負傷。冬はバスケットボールやサッカーなど他の競技で、負傷中は走り込みや下半身の強化を中心としたトレーニングで夏に備えてきた。

次戦は今春センバツ準優勝の近江。エース右腕は「秋は近江にサヨナラ負けして、近江を倒すことを目的にやってきた。リベンジしたい」と力を込めた。