京都国際が「鬼に金棒」のエース復活で決勝進出だ。今秋ドラフト候補で最速143キロ左腕の森下瑠大(りゅうだい)投手(3年)が約2カ月半ぶりの復帰マウンドで躍動した。7回から救援。3点リードの9回は無死満塁のピンチを背負ったが、3回を1失点にとどめて試合を締めた。

「久々の大会。ああいう場面で投げさせてもらえた喜びが一番大きかった」

自身のの適時打などで3点勝ち越した直後の7回から登板。立ち上がりは速球主体で一ゴロ3本に抑えた。8回はカーブやチェンジアップも駆使。2三振を奪った。だが球が上ずり「あまり良くない投球」と反省も忘れなかった。昨夏の甲子園4強左腕は春先に肘を痛め、ノースロー期間も長く続いた。公式戦登板は5月3日の春の京都大会準決勝の日星戦以来。夏の初登板としては上々の発進だ。

この日は12球団27人が集結。阪神和田テクニカルアドバイザーや日本ハム吉村チーム統括本部長ら幹部クラスも目立った。巨人渡辺スカウトは「角度もある。キレも手元で伸びる」と評した。森下自身は状態を「5割くらい」と話すが、それでも140キロに達した。コロナ禍でのセンバツ辞退を乗り越え、2年連続夏の甲子園へ。27日の龍谷大平安との決勝を前に「次は圧巻の投球をできるように」と意気込んだ。【酒井俊作】