センバツ準優勝の近江が、3時間に及ぶ熱戦を制して粘り勝ち。優勝に王手をかけた。

ドラフト候補のエース山田陽翔(はると)投手(3年)は、4番右翼で先発出場した。試合は、初回に両軍1点ずつ、3回に4点ずつ得点して5-5の同点と接戦となった。

チームの苦境に、山田は3回途中からマウンドに上がった。4回以降、無失点に抑えて、流れを引き寄せた。攻撃でも、6回1死一塁の場面で清谷大輔外野手(2年)が適時二塁打を放って6-5に。これが決勝点となった。

しびれる試合に、多賀章仁監督(62)は思わず「疲れました」と漏らす。3回までに4失点。監督は「本当は山田で行きたかったんですけど、彼が『星野でお願いします』と言ってきたんで。まだまだ山田頼みですよ」と苦笑い。

山田は、星野に託した理由について「センバツの決勝で星野はすごく悔しい思いをしてたんで。頑張ってきていて、あいつならやってくれると思って監督に話しました」。結果的には序盤から登板することになったが「夏は負けたら終わりなんで。チームのためにも、星野が安心してマウンドで投げられるためにも準備してました」と明かした。

3季連続の甲子園出場まであと1勝に迫った近江。「チャレンジャー精神をもって日本一を取りたい」とエースは宣言した。