近江が4大会連続16度目の夏の甲子園出場を決めた。今春のセンバツでは開幕直前の代替出場ながら準優勝。悲願の滋賀県勢初の甲子園制覇に挑戦する。

先発した山田陽翔投手(3年)が1失点で完投した。終盤も最速145キロを記録するなど12奪三振。気合のこもった投球だった。最後の打者を空振り三振にとると、両手を突き上げ、捕手の大橋大翔(3年)と抱き合った。

「重圧は大きかったけど、優勝できてホッとしています。最初から9回まで投げるつもりでした。センバツは準優勝という結果に終わってしまったので、次こそは滋賀県に優勝旗を持って帰られるよう頑張りたいです」

プロ注目右腕は昨夏の甲子園で4強に導き、今春も準優勝。「地元滋賀で日本一」を掲げる逸材が、ラスト甲子園に乗り込む。

打線は2回、山田とバッテリーを組む大橋が先制の右前打。8番打者は4回にも左越えにソロを放ち、エースを援護した。

多賀章仁監督(62)は「また挑戦権を得られた。甲子園でも1戦1戦、近江の野球を貫きたい。滋賀県民の皆さんからありがたい激励をもらい、選手は後押ししてもらった」と感謝した。

春夏通じて初出場を狙った立命館守山は2年連続で決勝で近江の壁にはね返された。

◆近江 1938年(昭13)創立の私立校。生徒数769人(女子337人)。野球部は57年創部。部員数104人(うちマネジャー14人)。甲子園出場は春6度、夏は16度目。01年夏に準優勝、昨夏4強、今春準優勝。主なOBは阪神植田海、DeNA京山将弥ら。滋賀県彦根市松原町大黒前3511の1。岩谷斉校長。