愛工大名電(愛知)が驚異の粘りで八戸学院光星(青森)を下した。

7回に4点差を追いつき延長10回、サヨナラ勝ち。4年ぶりの3回戦進出を決めた。夏の甲子園で2勝を挙げたのは81年にエース工藤公康で4強入りして以来、41年ぶりだ。

春は優勝、準優勝の実績がある倉野光生監督(62)は初の夏2勝となった。

初回に1点を先制したが3回に追いつかれ5回に勝ち越された。7回には3点を奪われ1-5と劣勢に立たされたが、その裏、一挙4得点で同点。延長10回無死二、三塁から美濃十飛(しゅうと)外野手(3年)が中前にサヨナラ打を放った。

初戦は4安打6打点でヒーローになっていた美濃は2試合連続の活躍だった。「本当に、自分があの甲子園でサヨナラヒットを打ったのか、という驚きの気持ちが大きいです。(一時1-5で)どうなるかと思ったけど、選手1人1人がこの試合を楽しんでいた。その気持ちが逆転につながったのかなと思います」と笑顔で取材に応じた。

倉野監督は4点を挙げた7回の同点劇について「本当にすごいなと。甲子園の幾多の名勝負を見てきましたが、その渦の中に今、私たちがいるんだと感じました。選手たちも大喜びで、感動しながら試合を楽しんでいた」と興奮気味に振り返った。

◆愛工大名電のサヨナラ勝ち 81年夏3回戦の北陽戦で中村稔(元日本ハム)が高木宣宏(元広島)から12回裏にサヨナラのソロ本塁打を放ち、2-1で勝って以来、春夏を通じ41年ぶり2度目。同校が夏の甲子園で2勝したのも、この年以来になる。