聖光学院(福島)の“熱男”安田淳平外野手(3年)が豪快アーチをかけた。

同点の3回1死一塁、カウント1-1から高め115キロスライダーを捉え、右翼席に勝ち越し2ラン。「入らないと思い走っていたが、たまたま入ってくれた。最初は信じられなかったが、あの場面で打ててうれしいです」。初回の先制適時二塁打含む2安打3打点で6年ぶりの8強に貢献した。

努力家の安田にはルーティンがある。平日は午後9時まで全体練習。その後は寮で自主練習時間ギリギリの同11時まで毎日のようにバットを振る。斎藤智也監督(59)も「安田は決して器用ではないが、真っすぐ突き進む、そういう熱さと強さを持っている男」と証言する。初戦こそ無安打も、練習ではロングティーで体全体を使って打つことなどに注力。2回戦は「ガツガツ振っていく」意識で臨み、先制打を放つなど復調し、3回戦でも輝いた。

美声の持ち主で練習前や着替え中に曲を口ずさみ、その場の雰囲気を明るくする。得意な曲はSaucy Dogの「シンデレラボーイ」。部員から「部内で一番うまい」と声が上がるほどの実力だ。初の4強入りを果たし、安田が勝利の歌声を響かせる。【山田愛斗】