どっちが勝っても初優勝。第104回全国高校野球選手権は22日、甲子園で決勝戦を行う。大阪桐蔭や近江(滋賀)の優勝候補を連破した下関国際(山口) VS 「白河の関」越えで東北勢の悲願を狙う仙台育英(宮城)。両校は21日の休養日に甲子園で練習を行った。注目の最終決戦は午後2時プレーボールだ。

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下関国際のユニホームは、白地に青と赤を基調とした縦じまという斬新なデザインがなされている。SNSでは「社会人野球のチームのよう」「昔のヤクルトみたい」という声も上がっているが、坂原秀尚監督(45)の強いこだわりがある。青は「関門海峡の海」、赤は「情熱」を表しているのだ。

同校が校舎を構える山口・下関市と、その南に位置する福岡・北九州市を結ぶ関門海峡。坂原監督は「関門海峡を意識してのブルーです」と明かした。帽子とアンダーシャツの青は、港町のオーシャンブルーを示している。

そして指揮官は大の歴史好き。かつて山口県には、薩長同盟の中心となった長州藩があった。「革命や維新を起こしたのが山口県。山口県は長州藩ですよね。その長州藩の情熱の赤です」。明治維新を推し進め、歴史を変える原動力となった気合を表している。

坂原監督が05年に就任した時は、スクールカラーの緑が基調だった。応援団旗は現在も緑だ。そこから地元に関係する2つの意味を込めて刷新した。主将の山下世虎(せとら)内野手(3年)は「しっかり目立つ。下関国際ということを披露できる」と話す。ゆかりの戦闘服を身にまとい、甲子園決勝で歴史を変える。【只松憲】