どっちが勝っても初優勝。第104回全国高校野球選手権は22日、甲子園で決勝戦を行う。大阪桐蔭や近江(滋賀)の優勝候補を連破した下関国際(山口)VS「白河の関」越えで東北勢の悲願を狙う仙台育英(宮城)。両校は21日の休養日に甲子園で練習を行った。注目の最終決戦は午後2時プレーボールだ。

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下関国際が、歴史的な快挙で春夏通算100校目の初優勝に挑む。ここまでの4試合はノーアーチ&ノー完投。相手の仙台育英も同じ状況だが、決勝戦も同様に勝てば大会史上初だ。センバツVの大阪桐蔭、同準Vの近江(滋賀)の2強を連破したダークホースが、全員野球で悲願をつかむ。

打撃陣は坂原秀尚監督(45)が「びっくりするぐらいつながっている」と驚くほど好調だ。初戦の富島(宮崎)戦は最速148キロ右腕の日高、準々決勝は大阪桐蔭の別所、前田、準決勝は近江の山田を攻略。プロ注目の好投手を次々に打ち込み、4試合で46安打を記録している。バットを短く持ってコンパクトに逆方向への打撃を徹底。つなぐ野球で快進撃を続けてきた。

投手陣はエース左腕の古賀康誠投手(3年)と仲井慎内野手(3年)の継投が生命線。ともに最速147キロを誇り、4試合ともダブル競演で勝機をつかんだ。古賀は近江戦で2回途中降板。乱調気味だったが「決勝では自分が思うような投球がしたい」とリベンジを誓った。指揮官も「休養十分だな。じゃあ、明日(22日)はどこで投げるか分かるな?」と伝えたことを明かし、先発起用の方針を示した。

スター選手はいない。全員野球で1958年(昭33)の柳井以来、64年ぶりに深紅の大優勝旗を山口に持ち帰る。【只松憲】