仙台育英の東北勢初の快挙に宮城県民も沸いた! 仙台育英宮城野校舎内のホールで行われたパブリックビューイング(PV)には女子バスケットボール部、陸上部の生徒ら約100人が参加。NHK仙台放送局のPVは立ち見であふれ、野球部員が通う多賀城校舎がある多賀城市民文化会館で行われたPVにも多くの市民がつめかけ、優勝の瞬間、歓喜の涙と大歓声に包まれた。また、仙台駅前では号外が配布され、多くの人があらためて歓喜に浸った。

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仙台育英の2番手・高橋煌稀投手(2年)が最後の打者を三ゴロに打ち取った瞬間、ホールが揺れた。生徒らは両手を上げ、立ち上がり、飛び跳ねて喜んだ。そんな中、女子バスケットボール部の佐藤寧音さん(1年)は号泣。「うれしいです、同じ高校として誇りに思う先輩方です」と快挙を喜んだ。涙を流す佐藤さんをなだめていた鈴木ひいろさん(1年)は「隣で大泣きしていたのでこれはやばいと思って…(笑い)。でも、心は爆発していました。めっちゃうれしかったです」

2人が通うのは野球部と同じ多賀城校舎で、野球部員が練習する姿を目にしている。鈴木さんは「感動とうれしさでいっぱいです。努力している姿を見る機会があったので、その努力が報われたこの場に立ち会えて光栄です」と語った。

女子バスケットボール部は「逆転の仙台育英!!」と書かれた紙を掲げて観戦していた。これは育英生全員のキャッチフレーズで、佐藤さんは「勉強面でも部活動でも逆転する、最後まであきらめないという思いが込められています」と教えてくれた。

幾度も苦しい展開を乗り越えた今大会。甲子園初出場の1963年夏からあきらめずに挑戦し続け、聖地の頂点に立った姿はまさしく“逆転の仙台育英”だった。【濱本神威】

○…夏の甲子園決勝戦のPVが、仙台市内のNHK仙台放送局1階・定禅寺メディアステーションで行われた。280インチの大型モニターで試合の映像を公開。324人が集まり、立ち見や会場の外で戦況を見守る人もいた。声を出すことはできなかったが、仙台育英がストライクを取ったり、安打や点が入るたびに大きな拍手。全力プレーする地元の球児たちをたたえていた。

仙台生まれ仙台育ちの高校野球ファン・加藤翼さん(44)は、日の丸と「日本」と書かれた帽子を被って応援。前回、仙台育英が準優勝だった15年、友人がPVの際に買った物を引き継いだ。優勝が決まった瞬間は涙。「自分が生きているうちに仙台育英が優勝する日が来るのかなと思っていたので、ついにこの日が来たんだなと感慨深いです」とかみしめていた。

○…仙台駅前では号外が配布され、多くの市民が手に取った。藤本省太(東北学院=3年)さんは「地元の高校が日本一になってくれてうれしいです」と声を弾ませた。昨夏は同校が甲子園出場を果たし、現地応援に駆けつけた。佐藤泰成さん(19)は「試合は見ていました。(東北勢の初優勝について)すごいことだと知っていたので、感動しました」と振り返った。主婦の高橋明美さんは「決勝に行って、優勝すると思って、テレビで決勝戦を見ていました。東北勢初優勝ってこともあって、優勝の瞬間はすごくうれしかった」と話した。