今大会のダークホース、下関国際が決勝で力尽きた。58年の柳井以来、64年ぶり2度目の山口県勢の夏優勝はならず、鉄仮面のエース古賀康誠投手(3年)らナインは号泣。

閉会式では坂原秀尚監督(45)も目を潤ませ、「こどもたちがかわいくて、本当にかわいくて。そんなかわいい子供たちが泣いてる姿を見て泣いてしまいました。すみません」と漏らした。

準々決勝の大阪桐蔭戦で三重殺を完成させるなど、好救援を続けてきた右腕仲井慎投手(3年)が打たれた。1-4の7回1死満塁。真ん中高めのボール球を左翼スタンドに運ばれた。「打った瞬間は外野フライかと。どんどん伸びて、入った瞬間は本当に悔しかった」。満塁弾で7点差となり、万事休した。坂原監督は「仲井も(先発)古賀も満身創痍(そうい)の中で投げてくれた。仙台育英高校さんは、我々が思ってるよりも想像を絶する選手層の厚さでした」と脱帽した。

秋春の王者・大阪桐蔭、春の準優勝校・近江(滋賀)を連破して、決勝の舞台に立った。台風の目となり、何度も聖地を沸かせた。心を打たれた高校野球ファンは何人いただろうか。準優勝。堂々と胸を張っていい。【只松憲】