世代NO・1スラッガーがいきなり結果を出した。U18W杯(9月9~18日、米フロリダ州)に出場する高校日本代表は30日、初実戦の立大戦を白星で飾った。「1番・右翼」で先発出場した高校通算67本塁打の高松商・浅野翔吾外野手(3年)は第1打席で二塁打を放つなど、木製バットへの対応力の高さをアピールした。

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浅野の木製バット“THE FIRST TAKE”は、二塁打の好結果だった。

白が基調のJAPANユニホームを身にまとった初回無死の先頭打席。やり直しの利かない木製初球。立大先発・小畠一心投手(1年=智弁学園)の直球を振り抜いた。打球は逆方向の右中間をライナーで破った。W杯では金属バットを使用できない。「高松商は平日、全面練習が2日だけ。それ以外の日は4カ所で打ち込む。その時に木を使っていました。違和感や難しさは感じなかったです」。1度きりのテイクで、本当の実力を証明した。

いきなりのチャンスメークに打線は爆発。1死一、三塁から4番の内海が右前適時打を放つなど、3本の適時打を含む5安打5得点で一気に主導権を握った。そのリードを7回まで守り、1、2年中心でメンバー構成された立大を破った。白星スタートに馬淵史郎監督(66)は「浅野のツーベースがチームのムードを『うわっ』と上げた。(今後も打順は)1番でしょうね。核弾頭のようになってくれれば」と期待を込めた。

木製1球目を捉えた浅野に対し、駆けつけた9球団のスカウトたちも高評価の嵐。オリックス下山チーフスカウトは「木製を使いこなせる力は持っているんじゃないかと。初見の投手の初球を捉えられた。これは能力の高さを感じた」とうなずいた。

結果を残した浅野だが、試合後は2三振の内容を反省。3番で2四球を選んだ松尾の名を挙げ「松尾はボール球を振らずに四球を選んだ。それが1番には必要」と話した。1発目の成功に満足せず、高みを目指していく。【阿部泰斉】

○…大阪桐蔭・松尾は「3番・捕手」で先発出場。3投手をリードし、1失点に抑えた。初めてバッテリーを組む投手もいたが「いいところをそれぞれ感じた。少しは投手を理解出来たかなと思う。本番はすぐ。コミュニケーションをしっかりとっていきたい」と話した。捕手以外では遊撃手の準備も行っており「内野はどこでも守ることが出来る。与えられたポジションを準備していきたい」と力を込めた。

○…捕手として代表選出された九州国際大付・野田は3番手として登板し、1回を1安打無失点に抑えた。昨日急きょ登板が決まった最速146キロ右腕は「両方やるつもりでここに来た。捕手だろうと投手であろうと、チームの勝ちにこだわっていい結果が出せればと思う」と動揺はなかった。高2で投手を始めたばかりだが、スライダー、カットボール、スプリット、チェンジアップと球種も多彩。二刀流でチームを支える。

○…高校日本代表は今日31日、大学日本代表と壮行試合をZOZOマリンで行う。予告先発が発表され、先攻の高校代表は九州国際大付・香西が務める。その後は海星・宮原、市船橋・森本、近江・山田と継投される予定だ。馬淵監督は「山田は1イニング限定。8回までで3人をつなぐ。誰を2回、3回にするかは出来次第」と話した。後攻の大学日本代表は立大・荘司康誠投手(4年=新潟明訓)が先発する。