初優勝を目指す高校日本代表が、メキシコを4-1で下した。世代NO.1スラッガーで今秋ドラフト上位候補の高松商・浅野翔吾外野手(3年)が5回、高校通算68本目となる1発を放った。持ち前の長打力を国際舞台でも発揮し、勝利を呼んだ。先発の九州国際大付・香西一希投手(3年)は4回1安打無失点と好投。投打がかみ合い、1次ラウンド2連勝を決めた。

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国際舞台でも、木製バットでも、浅野の打力は不変だ。3-0とリードして迎えた5回無死の第3打席。フルカウントから6球目の直球を振り抜くと、打球は左翼席中段に突き刺さった。メキシコの左腕を打ち砕いた1発は、木製バット初アーチ。「これまで木製バットで打った中で、一番良い当たりで打てました」と胸を張った。

8月31日に行われた大学日本代表との壮行試合では、4打数無安打に終わるなど、打撃の調子が低迷していた。修正のため、憧れの存在であるアストロズ・アルトゥーベのフォームを参考にした。「大振りになっていたので、コンパクトなスイングを心がけました。外国人投手に対応できるよう、トップを上の位置にして上からたたくようなイメージで」。変更は功を奏し、今大会は2戦で7打数3安打3打点。復調を遂げたスラッガーが、日本を初の頂点へ導く。

○…先発の香西が4回無失点と試合を作った。1回は国内とは異なるストライクゾーンに困惑。3四死球で1死満塁のピンチを招いたが、比嘉コーチの「大胆にいけ」という声掛けで冷静さを取り戻した。後続を2者連続三振。ピンチを脱すると、その後も緩急を駆使して1安打に抑えた。大柄な選手が目立つ相手打線にも、「自分より大きい打者に投げるのが好き」と立ち向かった身長171センチ左腕が、勝利を呼んだ。

◆大会方式 1試合7イニング制。8回からタイブレークを採用(無死一、二塁から開始)。1次ラウンド(R)はA、B各組6チームで総当たり戦を実施。各組上位3チームがスーパーRに進出する。スーパーRは別組の3チームと対戦。1次Rで対戦した同組勝ち上がりチームとの対戦成績を持ち越し、計5試合分で順位決定。上位2チームが決勝へ、3、4位は3位決定戦に進む。