U18ワールドカップ(W杯)で初の世界一を狙う高校日本代表がオーストラリアを10-0で下し、スーパーラウンド(R)進出を決めた。5回コールドで開幕から4連勝。今秋ドラフト候補の高松商・浅野翔吾外野手と大阪桐蔭・松尾汐恩捕手(ともに3年)が躍動した。単打を集めての快勝で、馬淵史郎監督(66=明徳義塾監督)の「低い当たりを打とう」との考えが浸透した大勝だった。

序盤の猛攻に「馬淵イズム」が凝縮されていた。1回、左前打で出塁した浅野は敵のスキを突いた。相手投手がバント処理にもたつく間に一気に三塁を狙うと、悪送球も重なり先制の生還。さらに松尾が右前打で再び起点となり、押し出し四球などで初回から3点を奪った。馬淵監督も「1回に点が入って展開的には非常に楽だった。浅野がヒットで出てかき回す展開になると、いまの日本のチームは勢いづく」と納得だ。浅野は2回も四球で好機を演出。またも松尾が速球を打ち、中越えの2点適時二塁打。「投手が投げるコースに関係なく逆方向に打ち返すのがテーマ」と話した。 2回までに7安打集中で10得点。若きサムライは打ち上げない。強いゴロやライナーを徹底した。8月のチーム結成後、馬淵監督は攻撃方針を示した。「本来、このチームが目指すのは長打よりも、しぶとく食らいついて機動力を使って得点する。低い当たりを打っていこう」。高校68発の浅野は2打数2安打。ドラフト1位候補も率先した。

1次Rは打線が湿りがちだったが指揮官は「打線も連打やタイムリーが出たのでモヤモヤとしたものが吹っ切れた」とひと安心。投打がかみ合い、初優勝に向けて、第1関門を突破した。