札幌地区で代表決定戦6試合が行われ、札幌龍谷学園が昨秋全道4強の札幌国際情報に4-3で競り勝ち、3年ぶり3度目の秋季全道進出を決めた。今夏、正捕手として南北海道大会を経験した児島圭一(2年)が、決勝打含む2安打2打点。投手を粘り強くリードし、攻守で夏秋連続の地区突破に貢献した。

札幌龍谷学園の“落ち着かせ隊長”児島が、打って守って声をかけて、勝利に導いた。まず1回1死二塁で先制の左前打。「1番の内海(耀介遊撃手、2年)が出塁してチャンスをつくってくれた。決められるときにしっかり点につなげたかった」。1点差に詰め寄られた7回1死三塁では右翼へ適時二塁打。この4点目が、勝利につながる貴重な1点となった。

相手の札幌国際情報は全校応援。7回裏に再び1点差に詰め寄られると、三塁側スタンドから、メガホンをたたく音が盛大に鳴り響いた。動揺を見せるエース若菜健太(2年)には「自分の力を出し切れ。慌てなくていい」と鼓舞。女房役として的確な声かけで落ち着かせ、粘る相手に流れを譲らなかった。

夏の経験が糧になった。今夏南大会は、準優勝した知内と1回戦で対戦し、2-3と接戦を演じた。「プロ注目の投手と対戦したことで打席にも落ち着いて立てた。緊張感のある舞台で戦ったのでスタンドの声も意識せずにできた」。その中で反省もあった。「5回の前後に失点しやすい」。知内戦は追いついた直後の6回に勝ち越された。この日は6回に1失点も若菜を励まし、終始リードを守った。児島は「あそこで最少失点で切り抜けられたのが良かった」と振り返った。

前回の秋全道出場の19年も、夏秋連続で道大会に進出し、勢いに乗り4強まで勝ち上がった。児島は「僕たちに力はない。練習でやったことを出すだけ」。虎視眈々(たんたん)と、高みを目指す。【永野高輔】