長岡が六日町に7-6のサヨナラ勝ちを決めた。5-6で迎えた9回に逆転。2死三塁に同点の中前打を放った星野壮真一塁手(1年)がサヨナラ劇の立役者にもなった。同点となり、なお2死一、三塁。相手の暴投で三塁走者・星野が本塁を突き、勝負を決めた。16強が出そろい、4回戦は17、18日に行われる。

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本塁で土煙が上がった。三塁走者の星野が本塁に頭から突っ込んできた。6-6の9回2死一、三塁。相手投手の初球暴投に素早く反応した。「初球は全部、変化球で入ってくるので(暴投を)頭に入れていた」。心の準備が出来ていただけに、走塁に迷いはなかった。もつれたゲームの幕切れは相手暴投でのサヨナラ勝ち。「練習試合でも同じような場面で走ってセーフになった」と経験済みの動きを公式戦で実践した。

星野はゲームの要所でキーパーソンになった。「フォームは固まっているから強く振ろう」と心がけた打撃はチャンスに強かった。2点を先行された後、3-2と一時逆転した5回には勝ち越し打。2-2となった後の2死二塁で中前適時打を放った。1年生クリーンアップを担う5番打者。3番鈴木泰陽中堅手と4番五十嵐蒼捕手(投手兼任)を「あの2人はすごい」と話しながらも、自分自身を高めてきた。藤巻辰也監督(33)は「ひた向きに努力する生徒。成長している」と星野を評している。

大会前に3番の背番号をもらった星野は藤巻監督にこう話した。「ひと桁の番号をもらったのは初めてです。頑張ります」。長岡北中時代は長岡シニアに所属。当時も一塁手を務めていたが、2桁番号ばかり。だからこそ、今秋の“張り切り度”は強い。18日の4回戦の相手は新潟明訓。星野は「打ってチームに貢献したい」と強豪相手に胸を高ぶらせていた。【涌井幹雄】