聖光学院が、打ちに打ちまくった。2回、1-3の場面から一気に相手を突き放しにかかる。死球を挟む長短4連打で4得点を挙げ逆転。3回には打者一巡の猛攻でさらに4点を追加。終わってみれば、計13安打11得点の完勝だった。斎藤智也監督(59)は「攻撃陣のしつこさ、粘り強さはよくやっているな」と目を細めた。初戦から2試合連続のコールド勝ち。打線は上位から下位まで好調だ。

高中一樹主将(2年)が存在感を示した。初回からダブル三重奏を打ち鳴らす。第1打席。左中間を真っ二つに破る二塁打をマーク。2回には1死満塁から走者一掃の左越え、5回は三塁線を破る適時二塁打を放った。4回1死満塁では初球を振り抜いて中犠飛。1試合3二塁打で5打点とバットが止まらなかった。

無心だった。初回の守り。二塁の守備で二ゴロを失策。先頭を出塁させ、この回3失点。逆転を許す糸口を与えてしまった。「自分の弱さが出た」。ミスにも打席では「『打ちたい』欲を捨て一振りに集中した」と終わったことを引きずらない。放った3安打のうち2本は初球を捉えた。「心の部分でどっしりと。攻めていく姿勢でチームに流れを呼び込みたい」。聖光の新リーダーは頼もしい。

来春センバツ出場よりも意識するのは「まずは(秋の)神宮大会出場が目標」という。東北大会で優勝をすれば「神宮の道」は切り開かれる。「どういう戦いをして、負けても自分たちが納得できる試合をする」。昨秋はあと1歩のところで及ばなかった、みちのく「秋の陣」頂点まで駆け上がっていく。【佐藤究】