中越は新発田中央に19-0の5回コールド勝ち。5年ぶりに秋の北信越切符を獲得した。エースで4番野本壮大投手(2年)が投げては2回2/3を打者8人で抑え、打っては3の3、2打点と大黒柱の役目を果たした。今日22日は準々決勝の残り2試合が行われ、北信越大会(10月15日開幕、ハードオフ新潟ほか)出場4校が決まる。

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野本に迷いはなかった。13-0の2回2死一、二塁、カウント3-0からの外角直球に鋭いスイング。打球を追う中堅手の頭を、あっという間に越える2点三塁打だ。3ボールからの強振だったが「(本田)監督のサインも『打っていけ』だった」と4番打者は明かした。

本田仁哉監督(46)の野本に対する大きな信頼感を表すシーンは4回にも。先頭の1番打者が失策で出塁すると代打攻勢。2番、3番、5番、6番と4人の代打を注ぎ込んだが、4番の野本だけはそのまま打席に立った。1死一、二塁に左前打を放ち、満塁に好機を広げた。本田監督は「展開、点差にかかわらずグラウンドに立ってこその存在感。野本あってこそのチームということを最後まで示した」と話した。

エースとしても貫禄十分だった。先発し2回2/3を打者8人でピシャリ。走者を許さない“完全”で抑えた。「直球でカウントを取り、勝負球も真っすぐ」と野本。投じた26球のうち、変化球は4球。スライダーだけを投げ、ほかの変化球を封印した。24日の準決勝の相手は日本文理だけに手の内を隠した。「まだ全力で投げていない。隠している球で抑え、絶対に勝ちたい」。チームの大黒柱は次も投打で暴れるつもりだ。【涌井幹雄】

◆北信越大会 新潟県で16校が参加し、10月14日に開会式が行われる。開催地の新潟は1増で4校が出場。15日1回戦、16日2回戦、22日準決勝、23日決勝の予定。決勝はハードオフ新潟で午前9時開始。組み合わせ抽選は10月7日に行われる。来春センバツ選考に参考資料となる大会で北信越のセンバツ出場枠は2。