中越が準決勝進出を逃した。敦賀気比(福井1位)に8-11で逆転負けした。0-0の2回1死満塁で9番・星野凌也一塁手(2年)が右翼への満塁本塁打を放ち、ゲームの主導権を握った。だが、8-3の8回に大量6点を失い、勝利を明け渡した。4校が出場した県勢はすべて姿を消し、来春のセンバツは絶望的になった。

中越には“悪夢”の8回だった。8-3と5点のリードが帳消しになったばかりか、1点のリードを許した。エース野本壮大投手(2年)が、ほぼ限界にきていた。15日の1回戦の星稜戦は9回137球完投。8回先頭打者に、この日165球目を二塁打されると小宮山久登投手(2年)と交代し、一塁守備に回った。

継投策は敦賀気比の勢いにのみ込まれた。投手2人を挟み、再び野本が4番手で登板も、この回6失点。野本の計200球の熱投も勝利につながらなかった。本田仁哉監督(46)は「勝てる試合を逃がした。本当に悔しいです」。

0-0の2回1死、星野の先制の満塁本塁打で試合の主導権を握った。だがミスがボディーブローとなった。7失策に捕逸も2と守備が乱れ、13四死球で打者を歩かせた。星野は「ミスが多かったので(チームを)作り直す」と公式戦初本塁打が満塁弾になった喜びより、チーム再構築を誓った。北信越2試合で計337球投げた野本も「スタミナなど未熟なところが出た」と反省を口にする。悔しい逆転負けから多くの教訓を得ていた。【涌井幹雄】