来春センバツの参考資料となる第75回秋季東海地区高校野球大会が、22日に静岡県内で開幕する。2年ぶり11度目出場の常葉大菊川(静岡1位)は、初戦となる23日の2回戦で津商(三重2位)-市岐阜商(岐阜3位)の勝者と対戦。エース右腕の福住柚稀(ゆずき)投手(2年)が、巻き返しの投球を誓った。

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今度こそ、力になる-。常葉大菊川の福住が、強い覚悟でマウンドに向かう。「背番号1をつけている以上、自分が抑えて勝ちたい」。2年ぶりに挑む東海大会に向けて、決意を口にした。

巻き返しを期す。県大会では3試合で5回2/3を投げ、8安打1失点。最低限の役割は果たしたが、先発は静清と対した3回戦のみ。エースとしては、納得のいく結果ではなかった。「実力不足。正直、悔しさもあった」。チームが果たした15年ぶりの優勝を、心の底から喜べなかった。

同大会後は体のキレを戻す瞬発系のトレーニングに加え、週3~4回ブルペン入り。多い時には100球を投げ込んだ。今月上旬の神奈川遠征では、慶応戦で2回無失点。先発した向上(こうじょう)戦は9回4失点と力投した。実戦では、8月の秋季西部地区予選3回戦・浜松工戦以来の完投だった。「制球良く投げられたし、完投できたことも良かった」。復調の兆しも見え始めた。

東海大会で石岡諒哉監督(33)から与えられた背番号は「1」。「本当にやらないといけないと思った。もう1度気合が入ったし、この仲間と甲子園に行きたい」と奮い立った。2018年夏以来の聖地へとつながる道を、その右腕で切り開く。【前田和哉】

◆福住柚稀(ふくずみ・ゆずき)2005年(平17)5月28日、掛川市生まれ。小2から地元の大坂野球少年団で野球を始め、大浜中時代は軟式野球部。家族は両親、弟。右投げ右打ち。174センチ、73キロ。血液型B。