2年ぶり4度目出場の加藤学園(静岡3位)が、至学館(愛知2位)に6-5でサヨナラ勝ちし、初戦を突破した。同点の9回に片山晴貴捕手(1年)が、決勝打を放った。準々決勝は23日に行われ、加藤学園は中京(岐阜1位)と対戦する。

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加藤学園の1年生が、殊勲の一打を放った。5-5で迎えた9回裏無死一、二塁。2番打者の片山は打席に立つと、監督から出た「バントか?」と尋ねるサインに、首を横に振った。7回の第4打席まで無安打だったが、「最後は打ってやろうと打席に入った」。直球を狙い、外角の初球を振り抜いた。二塁走者の生還を確認すると、一、二塁間で喜びを爆発させた。

前評判が高かった至学館の2投手から、12安打を重ねた。試合の流れを読んだ米山学監督(44)は「最後の場面も含め、バントはほとんど考えなかった」。監督の指示に、選手らはバットを振り続けた。3回途中から継投した吉川慧(けい、2年)は、スライダーを決め球に好投。6回2/3を5安打1失点でサヨナラ勝ちに導いた。「しっかり準備していたので、いい投球ができた」と振り返った。

チームは2019年の今大会でベスト4に入り、翌年春のセンバツ出場校に初めて選ばれた。しかしコロナ禍で中止。20年夏の交流試合で甲子園の土を踏んだが、センバツ出場は果たせないままだ。太田侑希主将(2年)は「センバツ出場は意識しているけど、上を見ていると足をすくわれる。まずは目の前の試合で勝ちにこだわる」と強調。甲子園への階段を1歩ずつ上がっていく。【倉橋徹也】