秋季関東大会に初出場の山村学園(埼玉3位)が、初勝利を挙げて初の甲子園出場へ1歩近づいた。“ありんこ軍団”と称するチーム一丸の戦いで、土浦日大(茨城1位)に6-4で逆転勝ちした。

専大松戸(千葉1位)は打力で圧倒し、明和県央(群馬2位)を7回コールドで破った。25日に行われる準々決勝の勝者が、来春センバツ出場を大きく引き寄せる。

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“ありんこ軍団”山村学園が、全員の力で1勝をつかんだ。9回裏2死一塁の場面を無失点で終えると、ベンチから飛び出してきたチームメートと抱き合って喜んだ。投手は3人の継投。打線は13安打で6点。ベンチ入り18人中15人がプレーし、岡野泰崇監督(46)は「みんなで力を合わせて頑張った。できすぎです」と喜んだ。

県大会から接戦を勝ち上がってきたから、自信があった。3-4で迎えた9回1死二、三塁で1番高野壮瑠(そうる)内野手(2年)が、前進守備の間を抜く適時三塁打を放ち、逆転に成功。ベンチに向かって力のこもったガッツポーズを決め、「気持ちが入っていました。こういう1点差ゲームは、自分たちの展開だと思っていた。逆転を信じて、後ろにつなぐ気持ちでした」と話した。

今夏まで強力打線が持ち味だったが、新チームは岡野監督が「ありんこ軍団」と称する連係が持ち味。追い込まれたらファウルで5球粘るなど全体での戦い方を徹底する。初の甲子園となるセンバツ出場へ王手をかけ、高野は「ありんこ軍団なので、みんなでつないでチームワークで勝ちたい」と話した。【保坂恭子】