大阪桐蔭(大阪1位)が決勝進出を決めた。

絶対的エースの前田悠伍投手(2年)は温存。登板した5人全員が140キロ台を計測する力強さで、龍谷大平安(京都3位)の反撃を振り切った。

まずは背番号15の境亮陽(1年)が「1番投手」で公式戦初登板。最速141キロで2回を1失点でしのぐと、2番手の南陽人(1年)が3回無失点の好投。5回2死三塁から4番打者に対して最速145キロを含む速球3連投で空振り三振に打ち取った。

3番手の松井弘樹(2年)は2回無失点。4番手の平嶋桂知(1年)は8回先頭から1死も取れず2失点で降板したが、144キロを記録した。リリーフした南恒誠(2年)は最速145キロで残りイニングを締めた。

投打で成長を見せている南陽は公式戦2試合目の登板。「ずっと投げたかった。マウンドは楽しかった」と振り返った。

今夏の甲子園では優勝した仙台育英(宮城)が1回戦で5投手全員が140キロ以上を計測して、話題になっていた。

今回投げた大阪桐蔭の5投手は南恒以外がこの秋からの戦力。出場が確実な来春センバツまでにどれだけ伸びてくるか注目される。

明治神宮大会出場をかけた決勝は2日後の5日。西谷浩一監督(53)は「今日は前田を投げさせないと決めていた。戦っていく中で投手1人では勝てない。もっと投手が楽に投げられるように攻めきらないと。ちょっと攻撃が雑でした。決勝は特別なので、来年につながるしぶとい野球をしたい」と語った。

○…龍谷大平安は5失策と守備が乱れた中、エース桑江駿成(2年)の粘投が収穫となった。自責2の5失点完投。失策による走者を背負っても7、8回は無失点で踏ん張り、原田英彦監督(62)は「狙い球を絞られても持ちこたえましたね。自信がつくんじゃないかなと思います」と評価。桑江は「相手がカットボールを狙っていても、通用していた。粘りきったことが次につながる」と頼れる球をつかんだ。今後は「他のチームに怖がられる投手を目指したい」と成長を誓った。