今春のセンバツ21世紀枠関東・東京地区の候補に選ばれた石橋(栃木)の福田博之監督(57)は“4度目の正直”で吉報を待つ。

同監督は03年の真岡(栃木)監督時代を含め、石橋でも2回の地区代表を経験し、監督として選出されるのは今回が4回目となる。昨年12月、全国9地区の代表校が発表された直後の会見では「選手たちにとっては1度目」と話したが、自身は大きな悔しさを乗り越えてきた。

20年、石橋にとって2回目の代表候補に選出された。秋季県大会では作新学院に勝利し準優勝、関東大会に出場したことで、周りからの期待の声も大きかった。「もしかしたらという思いがあった」と当時の心境を明かした。しかし、聖地への切符はあと1歩のところで届かなかった。落選を聞いたのは金曜日。土日の練習を休みにし、月曜日を迎えたが学校に行く足取りは重かった。

だが、生徒たちはこれまでと同じように決まり事だった清掃活動をしていた。立派に気持ちを切り替えている姿に自然と涙が出てきた。「生徒たちは次のステップに向かってやることやっているのに、俺は何をやっているんだと恥ずかしくなった」と振り返る。

昨秋、関西への修学旅行での自由行動で、ひと足先に甲子園を訪れた。「この場所に連れてきて、一緒にやりたいという思いがより強くなった」と語った。

福田監督は「21世紀枠は公立校に夢を与えてくれる制度」と話す。甲子園に出場し、全国の高校球児に夢を届ける。【星夏穂】