21年秋の明治神宮大会で4強入りし、昨春センバツに出場した花巻東(岩手)ナインが新たなステージへ羽ばたく。エース万谷大輝(3年)は中大(東都)に合格し準硬式で再出発する。

    ◇    ◇    ◇  

果たせなかった目標を成し遂げる。準硬式に転じる万谷は強い決意を口にした。「高校では成し遂げられなかった日本一を(中大の)エースになって成し遂げたい」と言葉に力を込めた。

2年秋の東北大会では、センバツ切符が懸かった八戸工大一(青森)との準決勝で投打にわたる大活躍を見せた。先発で10回3失点完投勝ち。最速130キロ台も、スリークオーター気味のフォームから多彩な球種で打者を手玉に取っていった。2年半磨き続けた制球力が最大の持ち味だ。打っては人生初のサヨナラ打をマーク。チーム初となる明治神宮大会では春の甲子園出場の原動力になった。「一番、思い出に残っている試合。甲子園と神宮を目指していたので、決まった時はうれしかったです」と振り返った。

さらなる上積みを誓った。「大学4年間で、制球力の向上はもちろんですが、最速140キロを目標に直球の質や球速にもこだわっていきたい」と意気込んだ。

◆万谷大輝(まんや・だいき)2005年(平17)2月10日生まれ、岩手・盛岡市出身。小2から盛岡東リトルリーグで野球を始め、下小路中では盛岡北リトルシニアに所属。花巻東では2年春にベンチ入り。同年秋から背番号「1」に。左投げ左打ち。目標の選手はヤクルト石川雅規。171センチ、76キロ。家族は両親と弟。