センバツ8強の東海大菅生が延長10回、タイブレークの末に4-6で駒大高に敗れた。最速150キロ右腕の日当(ひなた)直喜投手(3年)が4番手で登板したが5回2失点で、春夏連続の甲子園出場はならなかった。

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V候補筆頭の東海大菅生が5回戦で姿を消した。初回に4点を先制されたが5回に追いつくと、4番手でエースの日当が登板。3球団のスカウトが見守る中、スピードガンで最速148キロを計測するなど力投しながら援護点を待った。だが、勝ち越せないまま延長タイブレークに突入。同10回に連続適時打を浴びた。

5回2失点の日当は、涙で声を詰まらせた。「最後の夏なので、1球1球、後悔したくないと思って投げたが打たれた。負けたのは全部自分のせい」と自分を責めた。プロ注目右腕は夏の甲子園に戻れなかったが、「最高の3年間だった」と仲間たちに感謝し、卒業後はプロ志望を公言した。

今年1月、若林弘泰元監督(57)が部員に暴力を振るったとして解任。夏の大会直前に、上田崇前監督(29)から前部長の宮原上総監督が(33)指揮を託された。短期間で監督交代が繰り返されるなどチームは揺れたが、一丸となって打ち込んできた。渡部奏楽(そら)主将(3年)は「誰を信じていいかわからなくなったこともあったけど、ついてきてくれたみんなと甲子園に行きたかった」とおえつ交じりに涙。宮原監督は「生徒たちはよくやった。僕の責任です」と責任を背負った。秋の公式戦から若林元監督が復帰し、再出発する。【佐瀬百合子】

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