山形中央が東海大山形を2-1で下し、決勝進出を決めた。最速147キロ左腕・武田陸玖投手(3年)は5安打1失点完投。打撃では3打数無安打と振るわなかったが、周りが奮起し、エースを援護した。

0-1で迎えた3回裏2死一塁、3番渡辺聖翔(しょうと)外野手が右中間に抜ける同点適時二塁打を放ち、1-1。なおも2死二塁のチャンスに4番・中川碧人(あおと)外野手(ともに3年)が中堅への決勝適時打。中川は「(武田)陸玖だけのチームじゃなくて、チーム山形中央として、1人1人が主人公意識を持って夏に臨んでいる」。武田陸は「今までで一番、みんなで戦えた試合だった」とチームメートに感謝。“チーム山形中央”で勝利をもぎ取った。

昨夏は決勝で鶴岡東と対戦し、2-3で惜敗。悔しさの残る決勝を前に武田陸は、「決勝だから特別どうこうするとかはなくて、自分たちの野球を貫き通すだけ。どんな劣勢でも泥臭く最後まであきらめないでいきたい」。“泥臭く魂を込めて1球に向かっていく”チーム山形中央の“らしさ”を貫く。14年以来9年ぶりの聖地は目前だ。【濱本神威】