第105回全国高校野球選手権記念大会(6日開幕、甲子園)の組み合わせ抽選会が3日、大阪市のフェスティバルホールで行われた。高校通算140本塁打の花巻東(岩手)佐々木麟太郎内野手(3年)は、背中の違和感から順調に回復。大会第3日の第1試合で宇部鴻城(山口)と初戦を戦う。昨夏、東北勢初優勝を飾った仙台育英(宮城)は、第1日の第3試合で浦和学院(埼玉)と対戦。1回戦屈指の好カードが実現した。

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甲子園で上り調子の佐々木麟が見られそうだ。「逆襲」を掲げる今夏。宇部鴻城との初戦が決まったが、あくまでも対戦相手は関係ないというスタンスを貫く。抽選会前には「どこが来ても、どこが来ようとも、自分たちの野球をすることしか考えていない。自分たちのベストを尽くすことをテーマにやっていきたい」と意気込んでおり、目の前の勝利をつかむことだけに集中する。

この日の抽選会前、花巻東ナインは兵庫県内で午前7時から3時間の練習を行った。野手陣は約2時間をマシン打撃にあて、佐々木麟は主に木製バットで振り込み、鋭い打球を飛ばして復活を印象づけた。背中の違和感があった岩手大会は、15打数5安打2打点でノーアーチ。それでも、7月30日の関西入り後は「県大会のときよりは全然ましにはなっている」。出力は確実に上がってきた。

右肩上がりで復調してきた主砲に佐々木洋監督(48)は「階段を上がっていくようなスピードですけど、間違いなく上がってきている。昨日も良くなってきたなと思いましたが、今日はまた1個上をいっていた」と手応えを得ている。

チームとしては4年ぶり11度目、佐々木麟にとって最初で最後の夏の甲子園が幕を開ける。

「岩手県の代表として、こうやって生き残って戦わせてもらえることにすごく感謝の気持ちがあり、『出たい』と一番こだわりを持っていた大会。このためにやってきたつもりなので、悔いなく戦い抜きたい」

昨春センバツ以来、自身2度目の聖地で佐々木麟が完全復活を果たす。【山田愛斗】

▽花巻東・千葉柚樹主将 どこからでも得点できて切れ目のない打線、堅い守備から攻撃につなげるのを持ち味に頑張りたい。

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