復調の兆しを示す特大アーチをかけた。高校通算140本塁打の花巻東(岩手)佐々木麟太郎内野手(3年)が4日、兵庫県内で夏の甲子園初戦となる8日の宇部鴻城(山口)戦に向けたチーム練習に参加。午前中に行われたシート打撃の第3打席、相手サイド右腕を想定した打撃投手から右中間に推定飛距離120メートルの場外弾を運んだ。「しっかり体が回って捉えることができ、あそこまで飛距離が出たと思う」とうなずいた。

佐々木麟にとって待望の1発となった。両翼92メートル、中堅115メートルと球場自体はさほど大きくないが、打球は約15メートルのネットを軽々と越え、球場後方の草むらへと消えた。岩手大会では背中に違和感があり、全5試合でノーアーチ。打球角度が上がらず、ゴロが増え、苦しんでいたが、背中の回復とともに、らしさ全開の当たりが戻ってきた。「ああいう打球が出たのはこっち(関西)に来てから修正できている部分だと感じていて、少し自信にしたい」。第2打席では右前打を放ち、実戦形式で4打数2安打をマークした。

打球が上がるようになった要因としては「(背中の違和感で)体重が乗らなかったというのもありますけど、うまく乗せるように自分でもアプローチをかけていて、そこが一番大きかった」と分析する。初戦まであと3日。「打線としても自分自身としても無理に逆らわず、きれいに打ち返す」意識で試合に臨む。泥臭くてもいい。花巻東を勝利に導くためにバットを振るだけだ。【山田愛斗】

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