科学技術が静清を2-0で下し、2年ぶり2度目の県大会出場を決めた。エース安池健太(2年)が、100球未満での完封を意味する「マダックス」を達成した。常葉大菊川は小沢凜登投手(2年)の投打の活躍で小笠に3-1で辛勝。浜松工、藤枝明誠も県切符をつかんだ。また天候不良により裾野、愛鷹、富士球場の計8試合が26日、浜松球場の2試合が24日に順延となった。

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科学技術のエース安池が力強く右手の拳を握った。2点をリードして迎えた最終回2死一塁。最後の打者を二ゴロに打ち取った。2年ぶり県切符獲得の原動力となった背番号「1」は「めちゃくちゃうれしい」。練習試合も通じて自身初となる完封を、球数90の「マダックス」で飾った。

心構えが奏功した。相手は昨夏準Vの静清。安池は「『打たれて当たり前』と、良い意味で開き直って思い切りいけた」と迷いなく右腕を振り、強豪打線を散発4安打に封じた。3併殺と堅守にも支えられ、三塁を踏ませなかった。試合前は継投を想定していた森田重成監督(54)も「6回ぐらいを目途にと思っていたけど、最後まで球威も落ちなかった。丁寧に良く投げてくれた」とたたえた。

今夏までは野手に専念。選手権県大会でメンバー外となったことを機に、中学以来となる投手としての練習を再開した。「約2年間離れていた。感覚を取り戻すためにも、毎日投げて制球を磨いた」と連日ブルペンに入って投げ込んだ。この日、1球1球を丁寧に投げ込み1四球。秋を見据えて取り組んできた夏の地道な努力が、快投を支えた。

チームが掲げる目標は県16強。その挑戦権をつかんだ。安池は「目標を達成できるように、これからも自信を持って投げていきたい」と目を輝かせ、頼もしい言葉を並べた。【前田和哉】