駒大苫小牧が北海道栄に4-2で勝利し、4年連続の秋季全道出場を懸け、7日の代表決定戦で鵡川と対戦する。9番右翼の茶木吏道(りいどう=2年)が1点を追う4回1死二、三塁で二塁走者も生還する逆転決勝スクイズを決めた。最大の武器として磨き続けてきたバントを生かし、無安打ながら2打点を挙げる活躍を見せた。

駒大苫小牧の茶木が強みのバントで決勝点を挙げ、今夏の南北海道準優勝だった北海道栄に競り勝った。1点を追う4回1死二、三塁でスクイズ。打球は正面に転がり、捕手が一塁に送球している間に、二塁走者も生還する“逆転2ランスクイズ”を決めた。外角への低めの直球に体勢を崩しながら食らいついた。「自分の仕事はバント。練習通りにできて良かった」と振り返った。

元部長で女子野球部の茶木圭介監督(45)の三男。2人の兄も同校OBで主力として活躍してきたが、茶木はバント技術の高さでレギュラーの座をつかんだ。「自分にはバントしかない」と、打撃練習ではバント練習しか行わない日をつくるなど、自分の強みを集中的に伸ばして、チーム内の激しい競争を勝ち抜いた。

打ちたい気持ちは捨ててチームが勝つための役割に徹する。「自分の欲を捨てることは常に頭に入れている」と淡々と語った。佐々木孝介監督(36)は「足も速いので打力が付けば上位で打たせたい」と、上位打線でも活躍できる潜在性に期待する。

組み合わせ抽選前日の9月20日に同校グラウンドで駒大を経て社会人野球のエネオスでプレーした榊原浩司氏からバントの指南を受けた。球のコースに応じたバットの出し方などを教えてもらった。「球が見やすくなった」とアドバイスを値千金の一打につなげた。鵡川との代表決定戦でもバントでの貢献を続ける。「やることは変わらない。確実に1点を取れるように練習していきたい」と意気込んだ。【石井翔太】